受験(LPR科目合格)体験記(1999年 5月)


<勉強再開は1月16日から>
 98年11月の試験が終了した後は、大忙しの日々が待っていました。
 まずは引っ越し・・・。12月上旬に大阪市内のマンションに引っ越したのですが、荷物の整理、諸手続、家財の購入、内装工事の手配、さらには新居披露パーティの企画等々を一人でこなさなければならず、色々大変でした。
 次はカラーコーディネーターの勉強・・・。同時並行で勉強を続けていた色彩検定試験の期日が迫っていました。前年に1級1次試験に合格した私は、この年に限って2次試験が免除されます(つまり今回の2次に合格しなければまた1次試験からやり直しとなります)。私は必勝を期すべく、大枚20万円余を払ってヒューマンアカデミーの対策講座を受講していたのですが、さすがにUSCPA試験の前後は出席がとぎれとぎれになっていました。その遅れを取り戻すべく、引っ越しの合間をぬってビデオを見に行く日々が続きました。ちなみに試験の方は無事合格し、20万円の受講料は無駄にならずに済みました。
 また、会計単位を得るために入学した大阪学院大学にもまだ籍を置いていますので、そのスクーリングにも行かなければいけないし・・・。
 ただでさえ忙しい年末にこんなことをしていた訳ですから、USCPAの勉強はどうしても後回しになってしまいました。結局、再開したのは、1月16日でした。

<勉強はLPRに絞る・・・しかし>
 勉強再開時点ではまだ11月試験の結果は判明していないため、とりあえず絶対に合格していないLPRから取りかかりました(TACのアプローチコースを受講)。そして、2月にはFARE、ARE2科目合格の嬉しい通知が届きました。
 さあ、この時点で改めて確認した勉強スケジュールは次の通りです。
 1.TACのビデオ講座のLPR(全20回)を一通り見る。
 2.USEN発行の過去問題集のLPRを一通り勉強する。
 3.WILEYのLPRの過去問題をエッセイを含めて一通り勉強する。
 4.AUDITは「SASの読み方」をもう1回熟読する(これで計5回読むことになります)。
 要は、LPRに的を絞った、無理のない予定だったはずなのですが・・・。
 現実はそんなに甘くありません。何だかんだと後回しになり、結局渡米前に達成したのは1と4だけで、2と3については「やらなきゃと思った」だけでした。

<関空からデトロイト、そしてシカゴへ>
 前回、時差ボケかもしれない体調不良を経験した私は、今回は1日早く(試験の3日前に)渡米することにしていました。思うように勉強できなかった私にとってはこれからが試験勉強の本番です。南海特急のラピートの中、NW機の中、デトロイト空港での待ち時間、等々で勉強して、シカゴ到着までにUSENの過去問題集だけは一通りこなすことができました。
 ちなみに、関空−デトロイト間のNW機では、非常口の真横でスチュワーデスさんとお見合いになる位置の席でした。空港でのチェックインの際「英語は大丈夫ですか?」と聞かれ、非常の際の説明書を渡されましたが、万一事故が起こった場合は私が非常口を開けなければいけないようなことが書かれていました。
 飛行機から降りる際、機中での「猛勉強?」ぶりを見ていたスチュワーデスさんから、"I think you will success."と言ってもらえたのが少し嬉しかったです。

<シカゴへ到着>
 シカゴのオヘア空港に着いたのは、11月と同じく午後5:00頃でした。前回はダウンタウンまでタクシーを使いましたが、今回は時間もあるので地下鉄を利用しました。運賃はわずか1ドル50セントでプリペイドカード(写真)の様なものを買って乗ります。結局今回は帰りもタクシーを使わなかったので、滞在費が非常に安くあがりました。
 宿は予約の都合で、HILTON&TOWERSという高級なホテルです。中に入るとゴージャスな内装が目に入ってちょっとビビリましたが、豪華なのは共用部分だけで、客室自体はそれほど豪華ではありませんでした。
 困ったのは、到着当日の夕飯でした。近所のドラッグストアで何か買えばいいやと安易に考えていましたが、到着日は日曜だったため、ほとんどの店が18:00頃には閉まっていたのです。なぜかダンキンドーナツだけは開いていたのですが、夕飯にはちょっとね・・・。ダウンタウンを30分以上さまよったでしょうか・・・やっとセルフサービスのステーキショップを見つけて、夕飯にありつくことが出来ました。でもそこで食べたTボーンステーキは、アラスカで食べたものよりはるかにおいしかったです。

   

<試験までの2日間>
 翌日(試験前々日)、午後2時まで寝ていた11月と違い、今回は普通どおり目が覚めました。とりあえずコーヒーを飲みながら試験までの2日間の作戦を練ります。本当はWILEYとTACのテキストを全範囲回したいのですが、そんな時間はどう考えてもありません。というわけで、出題割合とボリュームを考慮して、@Contracts、AFederal Securities Acts、BRegulation of Employment and Environment、CProfessional Responsibilities、の4分野に絞り、TACのテキストの復習とWILEYの問題演習(エッセイは飛ばす)を行うことにしました。
 普段の私なら、この計画でさえも7割ぐらいの達成率で終わることが多いのですが、今回は気合いが入っていたせいか、上記の目標範囲は何とか勉強を終えることが出来たのはうれしい誤算でした。

   

 でも、この2日間はホテルにこもりっきりで勉強したわけではありません。昼間は近所の公園に行って景色(写真)を楽しんだり、水族館や博物館(写真)に行って気分転換を兼ねた観光をしたりしました。さらに5月3日(前々日)の晩には、受験仲間のS氏と待ち合わせて夕飯を食べた後、ホテルの私の部屋で遅くまで語り合ったりもしました。
 余裕があるわけではありませんが、私の場合、もう16年もこんな受験生活を続けていますので、勉強だけに集中せずに、並行して人生をそれなりに楽しむという癖がついてしまっているのです。

<試験当日>
 さて試験当日です。朝少し早く目が覚めたので、WILEYのエッセイの模範解答を数問眺め、エッセイの解答の書き方をチェックすることができました(後にも先にも私のLPRのエッセイ対策はこれだけです)。会場までの約2kmは歩いて行きましたが、途中でグレープフルーツジュースを買って飲み、ちょっとボーとしていた頭もリフレッシュさせることが出来ました。
 会場に付くと、11月試験の時より受験生の数が少なく、しゃがみ込んで勉強している人もまばらでした。理由は簡単、私が会場に到着したのが遅かっただけなのです。ちょっとあわてて荷物を預け、試験会場のある8階へと向かいました。

<試験の手応え>
・LPR
 初日の午前中は、いつものとおりLPR(ビジネスロー)です。
 でも今回は事実上この科目1つにかけていますので、過去4回の受験のときとは緊張も気合いも違います。不安はやはりエッセイでしょうか・・・何しろほとんど対策をとっていないのですから・・・「簡単なエッセイが出てくれますように」と祈りながら試験開始を待ちます。
 11月と同じように注意事項のアナウンスが放送され、いよいよスタートです。
 前回は体が重い感じでMCすら苦戦しましたが、今回は順調に解いていけます。また、直前2日間に復習できた範囲の問題については、かなり手応えを感じました。しかしOOFは、結構判断が微妙なものが多くて答えが合っている気がしません。「これでエッセイの出来が悪かったらアウトだな」といやな考えが頭をよぎります。幸いエッセイは非常にオーソドックスなものだったため、準備不足の私でもそれなりの答案が書けました。
 手応えとしては、「OOFの失敗をエッセイがカバーして、何とか75点以上を確保できそう」という感じでしたが、8月に届いた結果は88点(前回61点)と予想以上に点数が伸びました。

・昼休み
 今回はLPRの合格だけしか考えていなかったので、これで実質的には終わったようなものです。でも気を抜きすぎると午後の4時間半は苦痛になります。というわけで昼休みはリラックスした中にも最低限の緊張感が保たれているという、不思議な気分で過ごしました。
 余談ながら、昼食を注文する際に"Today's special please."と言ったのがなかなか通じず、3回ぐらい言い直したのは、恥ずかしい思い出です。

・AUDIT
 AUDUTは50点以上とれば良いだけなので、リラックスして受験することが出来ました。
 OOFは「A氏とB氏のどちらが正しいか」的な問題に手こずって時間と体力を消耗してしまいました。また「エッセイが1問だけなら楽だな」と思っていたのですが、残念ながら出題は2問でした。
 8月に届いた結果は66点と、前回の69点より下がりましたが、11月に充分合格を狙える位置の得点がとれました。

<試験終了後>
・当日夜
 試験の終了後は、さすがに疲れがどっと出ましたのでドラッグストアーで買った食料で簡単に夕食を済ませ、早めにホテルで寝ました。

・翌日昼
 翌日は、とにかく朝寝。雨混じりの天気だったので、シアーズタワーにのぼる予定は中止して、美術館でゆっくり過ごしました。改めて見てみると、この美術館は絵画以外にも様々な展示があることに気がつきました。特に地階のミニチュアの展示室は圧巻でしたね。

・翌日夜
 この日はAREとFAREの試験も終わるので、あらかじめ会議室で予告していたとおり、打ち上げを行いました。集合場所のマクドナルド前に集まったのは私を含めて6名(他に挨拶だけしてくれた方が2名)。なぜかそのうち5名は大阪の人でした(これなら大阪オフとあまり変わらない・・・)
 会場は、それなりに有名なところということで、「プラネット・ハリウッド」へ行きました。ハリウッド映画の雰囲気を再現した感じのレストランなのですが、ガイドブックに書いてあるほどのインパクトはなかったですね。飲み物に「クリフ・ハンガー」等の名前が付いていたぐらいでしょうか・・・ハリウッドらしさが出ていたのは。
 でも、試験が終わった開放感があり、結構楽しいひとときを過ごすことができました。
 レストランを出た後、S氏に連れられて、有志3人で”ブルー・シカゴ”という有名なブルースの店へ行ったのも良い思い出になりました。最初は壁際の椅子しか開いていなかったのが、途中でテーブル席が空いてゆっくりできたのもラッキーでしたし、黒人の女性が席に来て、漢字の話で盛り上がったといったハプニングもありました。

・帰国
 シカゴを発ったのは、5月7日の朝です。
 前回寝坊してギリギリだった私は、とにかく寝坊だけはしないように気をつけました。幸い、6:00頃に無事目が覚めましたので、ゆっくりと地下鉄で飛行場へ向かうことが出来ました。
 でも空港へは早めに着きましたが、おみやげを買ったりジュースを飲んだりしていたため、搭乗したのは結構ギリギリでした。
 そして、行きと逆のルートでデトロイト、そして関空へ。今回は大きなハプニングもなく、無事に帰国できました。

<まとめ>
 参考になるかどうかはわかりませんが、前回の体験記に引き続いて、過去の得点経緯をまとめておきます。
  AUDIT 43→57→55→(中断)→69→66
  LPR  50→53→53→(中断)→61→88
  FARE  55→55→64→(中断)→88
  ARE  45→58→69→(中断)→76


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